
音楽は何も作曲家や演奏者だけのものではない。我々が日常的に音楽番組やCMなどで耳にするポップスだけがいわゆる「音楽」ではなく、音楽というものは非常に多様なジャンルの芸術や大衆文化の中で様々な形でその役割を果たしているのだ。
たとえば今回紹介する
カメラマンであり、演劇人としても活躍する橋本浩史
による音楽の紹介などは我々が普段あまりポップスシーンで見かけることのなかった音楽を知れる、というメリットに加えて、演劇、舞台のフィールドにおいて音楽はどういった扱われ方をしているのか、そしてどう音楽と向き合っているのかという点に対する新たなる知見を手にいれることができる。
橋本浩史は楽器経験や音楽の専門知識はないとのことだが、ある種
音楽的には素人であっても芸術家、表現者としてはプロフェッショナル
とも言えるであろう彼が語る音楽は従来の音楽レビューサイトとは異なった趣を持っているであろうことから注目に値すると感じ、今回紹介させていただいた(また、音楽経験があったり、専門知識があると自称する音楽ライターの多くが「唸るギター、やら地を這うようなベースライン、タイトなドラミング、クリアな音像〜」などの様な紋切り型の楽曲分析ばかりしている現状があるからこそ、こういった新しい角度からの音楽の批評にも目を向けるべきであると感じたのである)。
では以下連載内容の紹介である。
”はじめまして橋本浩史と申します!!第1回の連載です。
楽器経験、音楽を専門的に勉強していない私の視点で音楽について緩く書いていこうと思います。舞台や映画に使われた曲から作品に興味を持って頂き、さらに豊かな音楽Lifeを!!と、まあそんな感じに書いていきますので一つよろしくお願い致します。
まず1回目は演劇集団キャラメルボックス『きみのいた時間 ぼくのいく時間』第2テーマソング
「Spiral Sequence」です。”
といった形で連載の第一回がスタートしている。
とにもかくにもこういった新しい角度からの音楽の批評がますます増えてくると実に面白いなあとこの連載の開始を知って思い至った次第である。